https://end0tknr.hateblo.jp/entry/20180422/1524338872
以前のエントリの再掲載。
「ピラミッド原則」を理解したつもりが、 重要な 「導入部」を考えず、いきなり本題に入ってしまう為、再確認。
「導入部」で読み手をしっかり、チェックインさせ、「ピラミッド原則」で論じよ が重要
「導入部」とは
- 「導入部」を考えることを省略しない (各章に書くこともOK)
- 「導入部」は、読み手に思い起こさせるもの (知識を与えるものではない)
- 「導入部」は、読み手が合意する事項に限定
- 「導入部」は、本文中で述べるメッセージと混ぜない(本文自体が複雑になる)
- 過去の出来事は、常に「導入部」に記述
「導入部」の構成 -「S(状況)」「C(複雑化)」「Q(疑問)」
導入部は「状況(Situation)」→「複雑化(Complication)」→「疑問(Question)」で 展開される。
また、ほとんどの文書は4つの疑問のどれかに答える
S:状況 (主題に関し 確認されている事実) |
C:複雑化 (次に起こった 疑問へつながる事実) |
Q:疑問 |
---|---|---|
しなければならない仕事がある | その仕事の妨げに なることが起きた |
どうすればよいか |
問題がある | 解決方法を知っている | 解決方法を実行するには どうすればよいか |
問題がある | 解決方法が提案された | それは正しい解決方法か |
行動をとった | その行動は効果がなかった | なぜ効果がなかったか |
導入部の「状況(Situation)」の構成
導入部の「状況(Situation)」は、更に 「オープニング/スタートポイント」+「懸念される出来事」から構成。
ここで「オープニング/スタートポイント」とは、 読み手にスムーズに入ってもらう為の事前情報や背景。
例えば、「ある食品会社は30年以上、同じやり方で +10%/年の成長を続けてきた」
その他のオープニングの例としては以下がある。
グループ | 内容 |
---|---|
構造 | 組織図、システム構成図、 工場の配置図、市場分布図 |
プロセス | 販売活動、事務処理、流通システム、生産工程 |
また、「懸念される出来事」とは「望ましくない結果(R1)をもたらすもの」
例
グループ | 内容 |
---|---|
外的引き金 | 新たな競合、新技術への転換、政府方針や環境の変化 |
内的引き金 | 新市場へ進出、製造ラインを変更、プロセスを増やした |
新しい認識 | 製品/プロセスの能力低下、顧客変化を意味する調査結果 |
「導入部」の例
※以下のR1, R2は、それぞれ 「今の何が好ましくないか (R1)」「代わりに何を望んでいるか(R3)」。
NO.1 我々は何をすべきか?
グループ | 内容 |
---|---|
S(状況) | 状況 |
C(複雑化) | R1, R2 |
Q(疑問) | どうやって、R1→R2へ行くか? |
グループ | 例 |
---|---|
S(状況) | 現在、市場Aに対し、Xのアプローチを取っている |
C(複雑化) | 市場は高い成長率にある為、Xのアプローチでは限界がある |
Q(疑問) | どのように変えるべきか? |
┌────────┐ │このようにせよ │ └────┬───┘ ┌──────┼──────┐How? ┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐ │ステップ1 ││ステップ2 ││ステップ3 │ └─────┘└─────┘└─────┘
NO.2 今やろうとしていることをやるべきか?
グループ | 内容 |
---|---|
S(状況) | 状況, R1, R2 |
C(複雑化) | 解決策 |
Q(疑問) | 正しい解決策か? どう実行すべきか? |
グループ | 例 |
---|---|
S(状況) | 問題となるかもしれない.なぜなら新しい手法が業界で始まろうとしている為 |
C(複雑化) | もし、そうならやり方を変える必要がある |
Q(疑問) | そのようにすべきか |
┌────────┐ │そのとおり │ └────┬───┘ ┌──────┼──────┐How? ┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐ │Aを変えよ ││Bを変えよ ││Cを変えよ │ └─────┘└─────┘└─────┘
NO.5 どの選択肢を選ぶべきか?
グループ | 内容 |
---|---|
S(状況) | 状況, R1, R2 |
C(複雑化) | 問題解決の選択肢がある |
Q(疑問) | どの選択肢がベストか? |
┌────────┐ │Aがよい │ └────┬───┘ ┌──────┼──────┐Why? ┌──┴──┐┌──┴──┐┌──┴──┐ │Xの点で...││Yの点で...││Zの点で...│ └─────┘└─────┘└─────┘
- ※注意 * 選択肢は、常に導入句の「複雑化」の部分に記載。 なぜなら、選択肢が読み手にとって既知でない場合、持ち込むべきでない為。
例:「我々には問題を解決する3つの方法がある」
NO.6 我々の戦略は、いかなるものであるべきか?
グループ | 内容 |
---|---|
S(状況) | 状況, R1 |
C(複雑化) | 変えないとは分かっているが、どの方向へ、どう到達すべきか不明 |
Q(疑問) | 我々の目的や戦略は、どうあるべきか? |
グループ | 例 |
---|---|
S(状況) | 大市場で小さなプレーヤーとして活動している |
C(複雑化) | 潜在機会がどの程度のものか不明。しかし、我々が得ているのは市場の一部 |
Q(疑問) | 我々の目的や戦略は、どうあるべきか? |
┌────────────┐ │ニッチ市場Aで抜きん出よ │←─────┐Why? └────────────┘ │ │ ┌─────────┐ ┌───────┐ ┌──┴─────┐ │実際に魅力的なのは├→│御社にとって、├→│市場Aへの特化に │ │2~3セグメント │ │進出方法は限定│ │最大のチャンス │ └─────────┘ └───────┘ └────────┘
キーラインは、上記の演繹的論理、または戦略を実行に移す為のステップ
「導入部」を考えることを省略しない (各章に書くこともOK)
つまり、文章の見出し?構成としては、以下
【タイトル】 全体の導入句 S(状況)。(Sにはオープニングも記載) C(複雑化)と疑問。 (ここに目次でも良い気がします) 【1】キーライン1 キーライン1の導入句 【1.1】STEP1 STEP1の導入句 【1.2】STEP2 STEP2の導入句 【1.3】STEP3 STEP3の導入句 【2】キーライン2 キーライン2の導入句 【2.1】Aの切り口 Aの導入句 【2.2】Bの切り口 Bの導入句 【3.3】Cの切り口 Cの導入句
その他の注意点
膨大なデータがあり、確信を持つ為、「全てのデータを追いかけ」「あれもこれも解決策として打ち出す」
全体を締めくくるにあたり、既に述べたことを繰り返すことは行ってはならない。(理論的には、適切な導入部を設け、文書全体がピラミッド構造であれば結論は不要の為)