software design 2022/1 に記載の「"学習する"チームで仕事をする」を 読んだことをきっかけに、今更、2020版を確認。(既に16年目)
以降では、気になった部分を記載しています。 (その中でも更に気になった部分には★を記載)
- 公開資料(pdf)のurl
- 3 開発・保守 - フェーズ(工程)の定義 p.12
- 3.2 ★ 開発・保守 - 業務パッケージ p.20
- 3.5-3.6 開発・保守 - 主要開発言語、RDBMS p.22
- 3.8 開発・保守 - 実装環境 p.29
- 3.8 ★ 開発・保守 - データガバナンス p.30
- 4.2 ★ 開発・保守 - 全体工数と工期 p.49
- 4.3 ★ 開発・保守 - 間接工数 p.61
- 4.5 開発・保守 - レビュー工数比率と品質 p.77
- 4.7 ★ 開発・保守 - 総費用と全体工数 p.89
- 4.14 ★ 開発・保守 - まとめ p.180~
- 5.1.2 保守作業割合 p.202
- 5.1.4 開発・保守 - 年間保守費用 p.203
- 5.1.6 開発・保守 - 保守契約金額 p.207
- 5.3 開発・保守 - 保守調査の考察とまとめ p.247
- 3.2 運用 - 役割コスト p.11
- 3.3 運用 - 設備系コスト p.14
- Appendix B ★ 運用 - コスト削減施策 p.76
公開資料(pdf)のurl
https://juas.or.jp/library/research_rpt/swm/
- 1) ソフトウェアメトリックス調査 システム開発・保守調査 報告書 (全291ページ)
- 2) IT運用コストメトリックス調査2020 報告書 (全112ページ)
上記の資料は 1)291+2)112ページもありますが、図や表が多く、読み進めやすいですし、 時間がなければ、1)p.247~:まとめ、2)p.65~:Appendix を読むだけでも、 良い気がします。
ちなみに...
- juasの場合、「メトリクス」でなく「メトリックス」と表記するみたい
- 保守と運用の違いは不明
でした
3 開発・保守 - フェーズ(工程)の定義 p.12
特に「実装」に「詳細設計」を含めている点に納得感。
工程 | SLCPプロセス |
---|---|
設計 | システム方式設計 + ソフトウエア方式設計 |
実装 | 詳細設計 + コード作成 + コードテスト |
ベンダーテスト | ソフトウエア結合 + システム結合 |
3.2 ★ 開発・保守 - 業務パッケージ p.20
全体では スクラッチ?が64.5%で大半を占めますが、 ERPや単体パッケージ、SaaSの割合が年々、増加。
使用状況 | 2016年累積 | 2020年累積 |
---|---|---|
ERP | 5.3% | 12.8% |
単体パッケージ | 5.7% | 12.3% |
SaaS | -.-% | 5.2% |
他ツール | 5.3% | 12.8% |
上記を使用せず | -.-% | 64.5% |
3.5-3.6 開発・保守 - 主要開発言語、RDBMS p.22
Java(62%)や、Oracle(53.9%)と大半を占めるのは、 ある程度、規模や歴史のある企業を調査対象にしていることに 起因していると、想像しています。
言語 | %(※1) |
---|---|
cobol | 20.2 |
c | 18.3 |
vb | 16.1 |
pl/sql | 18.8 |
java | 62.0 |
html+js | 11.7 |
他(※2) | 34.7 |
※1 割合の合計が100%超となる理由は不明です ※2 shell, pl/i, abap, php, perl, xml, asp, ruby 等
RDBMS | % |
---|---|
oracle | 53.9 |
sql server | 14.9 |
postgres | 7.0 |
mysql | 3.7 |
sybase | 0.4 |
informix | 0.2 |
isam | 0.7 |
db2 | 18.7 |
ms access | 1.5 |
hirdb | 1.2 |
ims | 5.7 |
他 | 7.7 |
3.8 開発・保守 - 実装環境 p.29
実装環境 | % |
---|---|
オンプレミス | 71.4 |
プライベートクラウド | 28.6 |
パブリッククラウド | 16.0 |
3.8 ★ 開発・保守 - データガバナンス p.30
CoEな部門がないから、DXが進まなかったり、個別最適だったりするのかと思います。
CoE設置状況 | % |
---|---|
経営戦略部門 | 1.9 |
情報システム部門 | 45.2 |
独立したデータマネジメント部門 | 1.9 |
存在しない | 51.0 |
4.2 ★ 開発・保守 - 全体工数と工期 p.49
※ p.191や197によれば、上記の2.7は、2008年の2.4から品質重視により増加
※ 三乗根のグラフは、wolframalphaが分かりやすいかと思います
https://www.wolframalpha.com/input/?i=2.7+%5Csqrt%5B3%5D%7B+x+%7D
4.3 ★ 開発・保守 - 間接工数 p.61
規模(人月) | 間接工数比(% ※1) |
---|---|
<10 | 11 |
<50 | 10 |
<100 | 9 |
<500 | 8 |
≧500 | 9 |
4.5 開発・保守 - レビュー工数比率と品質 p.77
レビュー工数比率をあげても換算欠陥率が減少するとも言い切れなかった。 レビューが大切なのは明確であるので、レビュー内容やタイミング、 方法などプロジェクト内の共通認識やコミュニケーションを向上させる工夫と、 仕様を明確にする努力が必要なのかもしれない。
4.7 ★ 開発・保守 - 総費用と全体工数 p.89
尚、決定係数は、
4.14 ★ 開発・保守 - まとめ p.180~
5.1.2 保守作業割合 p.202
保守理由 | 2016年(%) | 2018~20年(%) |
---|---|---|
ユーザからの問合せ受付、回答 (ヘルプデスク) | 31.6 | 24.5 |
是正保守 (バグの修正) | 15.6 | 10.4 |
改良保守 (担当者の要望への対応) | 26.3 | 20.5 |
適応保守 (制度、法律、業務変更に対する対応) | 12.2 | 12.5 |
完全化保守 (開発時からの不具合修正) | 3.3 | 5.6 |
予防保守 (データ量の変更対応、セキュリティ対策) | 5.1 | 6.5 |
基盤整備 (HW,MW変更の対応) | 5.9 | 9.3 |
他 | -.- | 10.7 |
5.1.4 開発・保守 - 年間保守費用 p.203
項目 | 平均(百万円) |
---|---|
1.保守業務費用(人件費)*1 | 1,376 |
(1)自社費用 | 92.3 |
(2)業務委託費(情報子会社) | 896.1 |
(3)外注費(ベンダー・協力会社) | 451.9 |
2.ソフトウエア開発回収保守費(人件費以外) | 525.5 |
3.パッケージライセンス費 | 728.0 |
4.パッケージ保守費 | 232.6 |
年間保守費合計 (1+2+3+4) | 2,185.7 |
5.システム総費用 | 8,431.1 |
年間保守費 / システム総費用 | 47.5% |
※ 資料に記載の 年間保守費用(2,185.7)とシステム総費用(8,431.1)と、 その割合(47.5%)が整合していないように見えます
5.1.6 開発・保守 - 保守契約金額 p.207
年 | 項目 | 平均(万円) |
---|---|---|
2018~20年 | - | 74.6~132.8 |
2016年 | 全プロジェクト | 75.7~107.7 |
〃 | パッケージ | 75.9~120.4 |
〃 | スクラッチ | 75.5~102.4 |
5.3 開発・保守 - 保守調査の考察とまとめ p.247
スクラッチの場合、7割強のシステムで追加開発が実施され、 保守+追加開発の費用は、開発費の20% (5年で開発費と同額に)
手法 | 追加開発の発生 | 保守 | 追加開発 |
---|---|---|---|
スクラッチ | 7割 | 7.8% | 12.0% |
パッケージ | 8割 | 10.9% | 31.4% |
3.2 運用 - 役割コスト p.11
項目 | 平均(百万円) |
---|---|
管理・統制 | 115.0 |
補修・故障対応 | 286.0 |
定常運用 | 428.9 |
ヘルプデスク | 56.7 |
3.3 運用 - 設備系コスト p.14
項目 | 平均(百万円) |
---|---|
HW製品保守コスト | 299.9 |
SW製品保守コスト | 495.9 |
リース・レンタル料 (設備・HW・SW等) | 568.7 |
通信・回線費 | 279.3 |
外部サービス利用料 (ハウジング,ホスティング,※1) | 681.0 |
データセンタ費用(自社,外部) | 183.7 |
他 | 2358.5 |
【計】 | 2602.4 |
※1 クラウドサービス利用料は含まず
Appendix B ★ 運用 - コスト削減施策 p.76
*1:1)+(2)+(3